Hamata log

[2018-06-16]思いつきで開設したものの、続くのかどうか・・・

JaSST関西’18に行ってきた話(招待講演編)

招待講演「ニューノーマル時代のテストエンジニアへの"food for thought" ~ ソフトウェアテストの60年を振り返り、ニューノーマルの背景を考える ~」

http://jasst.jp/symposium/jasst18kansai/details.html#S4

講演資料:https://www.slideshare.net/Bugler/food-for-thought-jasst18-kansai

 

JaSST関西終わってからいつまで放置しとんねん、と言われそうですがはてなブログから「お前、最近ブログ書いてないな」と言われたことなので書いてみます。(公式のレポートページがまだなのでセフセフとしておこう)

でも講演資料公開されているのでそっち見ればいいような・・・。まぁ自分の復習ということで書いていこう。他人のことは気にしない・・・。

 

演者の辰巳さんは富士通に入社してソフトウェア検査に従事し、最近定年されてなお、テストに関して探求を続けている、ということです。すごいですね。私なら定年したらすぐ遊び回ってしまいそう・・・。

 

講演タイトルの「ニューノーマル」ですが、これは以前ならば考えられなかったことが当たり前の状態になるということを意味する言葉だそうです。で、ソフトウェア関係の「ニューノーマル」としては「ソフトウェア開発のニューノーマル」というエッセイ(Michael Sowers, The New Normal for Software Development and Testing, Better Software Magazine, 2017)があり、ここでニューノーマル時代のソフトウェア開発技術の特徴として以下が挙げられているそうです。

 

(1) 開発とテストはチームスポーツ

(2) データとアナリティクスの役割の増加

(3) テストと開発の協調(TestDev)の考え方の拡大

(4) 全て継続(Continuous everything)は全て自動化すること

(5) 稼働中テスト(Testing in production)は珍しいことではない

(6) より深いスキルセットが必須

(7) 自動化の拡大

(8) チーム全体の責任

(9) ほぼリアルタイムな測定やメトリクスが可能

(10) リスクの許容範囲の変化

 

なんというか自分の置かれた環境が全然ニューノーマルじゃないな、というのをひしひしと感じます。

もう一つ紹介されたキーワードが「DX」「デジタルトランスフォーメーション」です。これは最近よく聞くようになりましたが、いまいちよくわかっていなかったのですが、講演資料にあるようにいくつかの形態?のようなものがあるようです。

 

そんなわけで講演の内容としては、こういった流れにどう対応すればいいのかというところを明らかにするために歴史からなにか学べないか、というような視点で進んでいきます。

ソフトウェアの歴史を追っていくと、登場したのが1950年代、60年代に台頭し、70年代には富を創造するようになり、80年代でパソコンとして個人の手にわたり、90年代の.comを経て2000年代にはソーシャルネット、そして現在のCloud、ビッグデータと変遷していきます。しかしながら演者の調べによると、これらの流れとテスト技法の進展になにか関係があるかというと見いだせない、というのが現時点での結論、とのことでした。(だからと言って意味がない、ということではないと個人的には思っています)

 

ではテストのニューノーマルというのはなんですか、という話が次に来るのですが、最近の動向として、テスト工程は時間がかかるので、そこをなんとかしようという動機でいろいろな試みがされているようです。計画>実装>ビルド>テスト>リリース>デプロイ>運用という流れのなかで、狭義のテスト工程からその左右に広がっていくということで、シフトライトテストやシフトレフトテストという潮流を紹介されていました。

 

シフトレフトというのは狭義のテスト工程よりももっと早く(フローの左側で)テスト活動する、というもので、発想的にはWモデル同様とのことでした。当然コンポーネントが揃わないので、そのあたりをカバーするための仮想化やAPI活用、というあたりがポイントになってきます。もう一方のシフトライトテストは本番稼働中の環境などでのテストのことで、様々ありますがA/Bテストなども含まれるようです。テストと言ってもちょっと違う毛色ですね。(そりゃまぁ本番環境で仕様ベースのテストとかやってる場合じゃないだろという話ですが)運用性とか、ビジネスの方向性を常に検証し続ける、という感じでしょうか。

 

まとめとしてはとにかく変化を察知して素早い対応を、ということと、あとは様々の分野の技術なり発想を広げてテストをより良くしていきましょう、ということでした。ニューノーマルとはいえ、画期的なものが突然生まれるのではなく、そこに至るまでのベース技術があって花開いている、ということなので、さまざまな分野の技術のアイデアを活用できるのでは、ということでした。

 

日々の業務からするととんでもなく置いていかれてるな、と感じましたが時々はこういった情報に接してないといけないな、と思いました。(感想書くのが3ヶ月後じゃおそすぎですが)

 一応Jasstの感想もこれで終わりですね。例年だと次に参加するのはRedmineOsakaとかですが今年はどうなるかな・・・??